WHITEHOUSE

秋山佑太 個展『supervision / スーパービジョン』関連イベント

「新宿野良猫会議」

 

WHITEHOUSE・デカメロン共同開催の秋山佑太個展『supervision / スーパービジョン』の関連イベントとして、都市論や建築的なアプローチを行う多ジャンルの表現者と秋山が野外で談話を行います。本展で示しているスーパービジョンとは何なのか、展示やインスタレーションだけでは見えてこない側面が、この「新宿野良猫会議」で可視されるかもしれません。

「新宿野良猫会議にむけて」秋山佑太
本展のタイトルとなっているスーパービジョンは、「様々な監視構造が、資本社会の基礎となっている。そして、構造の鍵となる存在が作業員である。」という考えを基につけられました。スクラップアンドビルトだけでなく、資本の統廃合や民間によるインフラの整備によって、都市空間はより監視地盤を強固なものとしています。都市で生きる事に切迫している者が、行政の福祉を受けるよりもネカフェを利用する方が、身近なインフラとしては優れてしまっているわけです。いま歌舞伎町に屯する若者達も居場所を探し放浪しています。家を持たない事と、家を持てない事は、それぞれ全く違う状況であり、生きる術もそれぞれ異なるはずです。しかし、住居がないホームレス状態の人々を「ホームレス」と括り簡単なレッテル貼りする人がいます。アートと野良猫は似ているところがあるような気がします。意識的に監視の枠からはみ出るアートの軽やかさは、この新宿に住む野良猫のフットワークと共通点があります。アートと建築界隈との接点が減っている今、猫の井戸端会議を手本に、小ぢんまりした談話の場を設ける事にしました。

■「新宿野良猫会議」の視聴方法は、以下の3パターンとなります。

・1時間限定インスタライブ
at WHITEHOUSEアカウント↓
https://instagram.com/whitehouse.shinjuku?utm_medium=copy_link

・現地(野外某所)
場所などの詳細は予定時間までにデカメロンにて↓
https://goo.gl/maps/NofiJ3RELbnnA4kaA

・展覧会のアーカイブカタログに収録
(西田編集長編、有料販売予定、部数未定、出版日未定)

 

 

■第一弾ゲストとスケジュール

8/20 20:00〜

会田誠(あいだ まこと)
日本を代表する美術家。2020年の東京オリンピックの開催に合わせ企画されていたが、オリンピックの延期に伴って今年になった会田誠展「愛国が止まらない」が現在ミヅマアートギャラリーにて開催中。近年の建築に関わるプロジェクトとして『Ground No Plan』(2018、大林財団)や、現在展示中の『東京城』(2021、パビリオン・トウキョウ2021)などがある。会田による独自の都市論をテーマにしたプロジェクトの数々から、アートと都市の(不)/可能性を考えていく。

8/21 20:00〜

楊光耀(やん こうよう)
1993年中国西安生まれ、1995年より東京。新宿区西新宿で育つ。2018年東京大学工学部建築学科卒業、2020年東京大学工学系研究科建築学専攻修士課程修了。現在、建築設計事務所勤務。都市研究会Urban Exercise主催。専門は建築理論、都市計画。最近は都市空間を別の都市から見ること、都市のランドスケープと地表から見ることに関心がある。新宿と水との関係や地形と街の成立ち等を起点に対話していく。

8/22 19:00〜

五十嵐太郎(いがらし たろう)
建築批評家。東北大大学院教授。著作に『建築の東京』、『現代日本建築家列伝』、『モダニズム崩壊後の建築』、『日本建築入門』、『現代建築に関する16章』、『被災地を歩きながら考えたこと』など多数。ヴェネツィアビエンナーレ国際建築展2008日本館のコミッショナー、あいちトリエンナーレ2013芸術時監督など、キュレーションも手がける。近年のホームレス対策など禍防備な都市に貢献する「排除アート」などへの批判や、「建築家」と都市の関係などの解釈から、秋山の『supervision / スーパービジョン』を深めていく。

8/27 20:00〜

サリー楓(さりー かえで)
1993年京都生まれ、福岡育ち。建築設計会社に勤めるかたわら、トランスジェンダーの当事者としてLGBTQに関する講演活動やテレビのコメンテーターもこなす。2017年、慶應義塾大学建築学科在学中に社会的な性別を変え、建築やブランディングからモデルまでに及ぶ多岐にわたって活動するトランスジェンダーとして注目される。大学卒業後国内外の建築事務所を経験し、現在、建築のデザイン、コンサルティングを行う。2020年、パンテーンCM「#PrideHair」に起用され、話題に。現在、男性として生まれたが、女性として生きることを決意したサリー楓に密着したドキュメンタリー映画「息子のままで、女性になる」が公開中。複合的なジェンダーの視点から身体/建築をテーマにS,M,L,XLのスケールで対話をおこなう。
(モデレーター・西田編集長)

9/5 20:00〜

須崎文代(すざき ふみよ)
建築史家。神奈川大特別助教(2022年建築学部開設より准教授)。著者に『台所見聞録 人と暮らしの万華鏡』など。近代住宅・建築史、生活史、特に台所・風呂・便所等の生活空間の歴史、住宅の近代化における技術と身体性の問題(身体技法、衛生論、能率化)を専門とする。土や石、菌への興味なども含め、堆肥や糠泥で展開する秋山の都市論を再考する。

■第二弾ゲストとスケジュールは近々公開

 

 

■第二弾ゲストとスケジュール

8/28 20:00〜


岡啓輔(おか けいすけ)
建築家。1965年九州柳川生まれ、一級建築士、高山建築学校管理、蟻鱒鳶ル建設中。ウイークポイントは、心臓、色覚、読書。1995年から2003年まで「岡画郎」を運営。2005年、蟻鱒鳶ル(アリマストンビル)着工。2018年、筑摩書房から「バベる!自力でビルを建てる男」を出版。2019年「のせでんアートライン2019」に参加。2020年から、美学校(神保町)にて秋山と「建築大爆発」という講座を受け持っている。

夏堀陽一(なつほり よういち)
1979年東京生まれ。法政大学大学院建築学科修了。2003年から高山建築学校に参加。在学中から家業の設計事務所で設計業務を開始、案件によって施工も担当する。2015年、台東区の「大塚ビル」は材料を買わないルールで改修し、イベント「ピエレットの婚礼」vol.1と3を主催。2018年、美術集団ヒスロムの個展「仮設する人」の会場設営。2019年、「茶人の家」の伝統工法の現場作業員。2020年、岐阜美術館AAICの「キュウブ」を設計施工解体。2021年から現在、三田で「アリマストンビル」の現場作業員として関わる。今回の秋山の個展には「街路樹のプロジェクト」で関わっている。
(モデレーター・ウチダリナ)

9/2 20:00〜


田中元子(たなか もとこ)
1975年茨城県生まれ。株式会社グランドレベル代表取締役。独学で建築を学び、2004年大西正紀と共にクリエイティブユニットmosaki (モサキ) を共同設立。建築やデザインなどの専門分野と一般の人々とをつなぐことをモットーに、建築コミュニケーター・ライターとして、主にメディアやプロジェクトづくりを行う。2010年よりワークショップ「けんちく体操」に参加。同活動で2013年日本建築学会教育賞 (教育貢献) を受賞。2014年建築タブロイドマガジン『awesome!』を創刊。同年より都市部の遊休地にキャンプ場を出現させる「アーバンキャンプ」を各地に展開。2015年よりパーソナル屋台の活動を開始。2016年株式会社グランドレベルを設立。2018年市民の能動性を最大限に高める1階づくりとして「喫茶ランドリー」をオープンし、グッドデザイン特別賞グッドフォーカス[地域社会デザイン]賞、リノベーションオブザイヤー無差別級部門最優秀賞を受賞。著書に『マイパブリックとグランドレベル』(晶文社, 2017年)、『建築家が建てた妻と娘のしあわせな家』(エクスナレッジ, 2014年) など。
(モデレーター・西田編集長)

9/3 20:00〜


石榑督和(いしぐれ まさかず)
1986年岐阜生まれ。都市史学者、建築史家。2009年明治大学理工学部建築学科卒業。2014年同大学院理工学研究科博士課程修了、博士号(工学)取得。明治大学理工学部助教、東京理科大学工学部建築学科助教を経て、現在、関西学院大学建築学部建築学科准教授。鉄道ターミナル周辺の都市史をテーマに、闇市、マーケット、民衆駅などの研究に取り組む。著書に『戦後東京と闇市 新宿・池袋・渋谷の形成過程と都市組織』(鹿島出版会, 2016年)、共著に『盛り場はヤミ市から生まれた・増補版』(青弓社, 2016年)など。2015年日本建築学会奨励賞。

9/4 20:00〜


長谷川香(はせがわ かおり)
1985年東京都生まれ。2008年東京大学工学部建築学科卒業。2018年同大学院博士課程修了、博士号(工学)取得。一級建築士。文化庁国立近現代建築資料館研究補佐員、東京藝術大学美術部建築科教育研究助手、東京理科大学理工学部建築学科助教を経て、現在、東京藝術大学美術学部建築科講師。著書に『近代天皇制と東京』(東京大学出版会, 2020年)、共著に『明治神宮以前・以後』(鹿島出版会, 2015年)、翻訳書 (分担) に『近代建築理論全史 1673-1968』(H.F.マルグレイヴ著, 加藤耕一監訳, 丸善出版, 2016年) など。第27回前田工学賞受賞 (2020年)。