WHITEHOUSE

 

mcg21xoxo

XO.1

・会期

2024年9月21日~10月4日 13:00~20:00

 

・オープニングレセプション

9月21日(土)18:00~21:00


 

・会場

WHITEHOUSE

・アーティスト

Aun Helden
Yan Higa
ishineko
Taka Kono
runurunu

この度、mcg21xoxoはAun Helden、Yan Higa、ishineko、Taka Kono、runurunuの新作によるグループ展「XO.1」を開催します。展覧会は1階で行われ、これらのアーティストの作品を通じて、創造と破壊の間の緊張、形態の流動性、人間と神的要素の融合といったテーマを探求しアイデンティティの起源に迫ります。また、2階では新たな取り組みとして厳選した16名のアーティストによる独自のアクセサリー、ウェアラブルアイテムを取り揃え、キュレーションされた空間によるショップも同時開催します。
本展は2024年9月21日から10月4日までWHITEHOUSEで開催され、毎日13:00から20:00まで開場しています。
また、初日9月21日(土)18:00から21:00まで、オープニングレセプションも同会場で開催いたしますので、ぜひご参加ください。
詳細については、mcg21xoxo.netのウェブサイトをご覧いただくか、info@mcg21xoxo.netまでお問い合わせください。

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始まりの時、混沌が支配し、アイデンティティがまだ形成されていなかった世界で、最初のエゴの火花が生まれた。この神聖で未定義の物質から、神々自身が出現し、葛藤、犠牲、そして現実と可能性との間の緊張によって形作られた。
この展覧会は人間と神聖なものとが交わる原初的な空間へと私たちを引き込む。そこでは見慣れた馴染みある輪郭が新たな不穏な形を帯びている。ここで展示される作品は、家庭生活の断片、形態の流動性、そして私たちの知覚の片隅に潜む影のような存在を織り交ぜることで、この古代の生成過程に呼応している。
親密な空間の焼け跡に、私たちは断絶された関係の残響を垣間見る。それは、知られることへの恐怖の中に親密さを求める私たちの逆説を残しながら、自らを消費していく愛のメタファーでもある。儚い姿の柔らかな輪郭は、常に移ろい、常に手の届かないところにあるアイデンティティの儚さを思い起こさせる。そして、奇妙で新しい形のゆっくりとした慎重な動きの中に、混沌からの生命の出現を、見慣れたものでありつつも全く異質なものの誕生を感じる。
私たちは本当に前進しているのか、それとも進歩という幻想に自らを欺き、ただ同じ古びた道を辿っているだけだろうか。もしかしたら、アイデンティティとは発見ではなく、むしろ集めた断片に徐々に屈服し、それらが抱える喪失感を受け入れる過程なのかもしれない。記憶に染まった断片は、かつてそうであった様に組み合わされることはなく、私たちを和解不可能なものと邂逅させようとする無限のループに置き去りにする。これらの記憶は私たちに纏わりつき、私たちの存在の孤独がどんな束の間の満足感よりも重い実感として強く感じられる。私はこの断片の山を見つめながら、記憶を染みから解きほぐすことができるだろうか、それとも結局のところ、ありのままを受け入れるだけなのだろうか。

Aun Helden

Aun Heldenは、ブラジル出身のトランスディシプリナリーアーティストであり、パフォーマンス、写真、ファッション、映画の交差点を通じて人間の形態に対する新たな認識と期待を生み出している。彼女の作品は、アイデンティティの認識論的および記号論的探求に根ざし、現実と夢の狭間で生じるイメージの歪みによって独特の緊張感を生み出す。この緊張感は、彼女のライブパフォーマンスプロジェクトやセルフポートレートを中心とした写真および合成画像にも反映され、摩擦を生じさせている。彼女の作品は、美しさや奇妙さの伝統的な概念に挑戦し、「身体であること」の失敗した定義に対する詩的な対抗として機能している。Heldenのペルソナは、まるで幽霊のような存在であり、その不透明さと反抗的な性質は、彼女自身にも未知のままでありながら、徐々にその謎を明らかにしている。

Berlin Atonal(ドイツ)、WHITEHOUSE(日本)、One Gee in Fog(スイス)、Saigon Gallery(ギリシャ)、ArteBA(アルゼンチン)、SP-ARTE(ブラジル)、Opyum Contemporary Festival(フランス)などで展示・パフォーマンスされている。

Yan Higa

Yan Higaは、ブラジルのサンパウロを拠点に活動するビジュアルアーティスト、サウンドアーティスト、パフォーマー、映像作家、そして空間デザイナーとして多彩な実践を展開している。現在の作品は、サウンドアート、音楽、多分野にわたるパフォーマンスと、彫刻や建築の身体との相互作用を探求し、義肢工学や思弁的なテクノロジーを活用している。

Yan Higaはアートコレクティブ「Acta」およびレコードレーベル「Acta Recordings」の創設者、ディレクター、A&R、キュレーターを務めている。

Ishineko

ishinekoの作品は、影、ひび、そして腐敗の抽象的なイメージを中心に展開され、それらが現実とキャンバスの間に生きる猫として具現化する。書道のバックグラウンドから影響を受けたishinekoは墨汁を新たなメディウムとして使用しており、色彩と油絵の物質性に焦点を当ててきた画家としての経験とは対を成している。墨汁は、日常生活における影の存在としての野良猫の捉えどころのなさを象徴しており、影やひび割れ、劣化といった痕跡を再現することでそれらは意味深い空間と結びついている。ishinekoは、日常に存在するこれらの物語や痕跡を記録し、その儚い存在の本質を捉えている。

ishineko以外の活動には、オーガナイザー「yoyogiparty picnic」として代々木公園で開催するオフサイト展示プロジェクト「yoyogiparty.jp」がある。

Taka Kono

Taka Konoは、彫刻、インスタレーション、パフォーマンス作品において、恐怖と親密さの関係を探求している。ホラーを利用して誤解された愛情表現を描き、日常的な感情的相互作用でよく見られるコミュニケーションの行き違いを反響させている。それと並行して、Konoの作品は、親密さが個人の境界線とどのように相互に作用するかを探求し、個人的な空間の必要性が親密さを求める衝動と対照的なダイナミズムを生み出す。この親密さと閉塞の相互作用は、Konoの作品に繰り返し登場するテーマであり、鑑賞者の恐怖や欲望と向き合わせ、私たちの精神における言葉にならない側面に注意を向けさせることを目的としている。

主な展示には、「lost and found / everything」(Ritsuki Fujisaki Gallery、東京、2024年)、「specter」(Hunsand Space、杭州、2023年)、「Terminal B」(Smena Center of Contemporary Culture、カザン、2022年)、「only only makes sense if there’s nothing else」(darkZone、ニュージャージー、2021年)がある。

runurunu

runurunuは、生命の起源や進化、宗教的なテーマを探求している。それらはハイブリッドな生物や性別、器官を持たない存在の境界を掘り下げ、人間の身体とその象徴的な意味を再解釈として機能する。また、runurunuは宗教と未来の神性の交差点に焦点を当てており、AIが現代の神々に代わる可能性を考察し、度々セレマや古代の宗教的シンボルを用いている。パフォーマンスアートから始まった活動は彫刻へと変化し、様々な素材を融合して人間の進化に対する従来の見方に問いを投げかけている。

主な展示には、「Reliquary」(Fondo Luogo、ミラノ、2023年)、「null」(Hyperlink、アテネ、2023年)、「Junk’s ports」(ANOMALY、東京、2023年)、「Morgue」(DOMICILE、東京、2023年)、「I.O.N 2, Dirty Laundry」(KEIV、アテネ、2022年)などがある。