お久しぶりです。WHITEHOUSEです。一旦休止していましたがこれにて(ゆるりと)再開です。どうぞよろしく。
さて、今回お届けするのはロジャー・ジャヌワタの初個展です。41歳、その才能に周囲がザワ付き始めたのが2003年頃だと振り返ると、なんだかんだで20年ほど実現しなかった初個展です。
とは言えアート活動は続けてきたから別にアウトサイダーではありません。ひとえに、真にカス過ぎる自らに社会性を武装してまで、大層な美術業界やろくでもない世の中にチャンネルを合わせる意味を見出してこなかった……。そんな良くも悪くも「現代美術のこじらせ」によって生まれた「遅れてきた新人」と言えるでしょう。
本来ならばここでもっと作家性やコンセプトに触れるところですが、そのお決まりの作法自体が、(僕からみれば「ナンセンスの正当な継承者」として)周囲を霧に巻いてきた当人にとって野暮、それに僕にも荷が重い……。というか、そもそもそんな立派な実態もないわけです。にも関わらず、ジャヌワタのファンは既に少なくありません。知る人ぞ知るアーティストとして、独特な線からなる唯一無二の絵と謎なアイディアによるねじれた世界観は多様なクリエイターを刺激してきました。
本ステイトメントではそれらの声を紹介し、他力本願とはなりますが、これをロジャー・ジャヌワタの初個展に向けた期待の宣伝へと代えさせていただきます。
来てください!🙇
余談: ジャヌワタは酒無しでは接客出来ないアル中です。会場で見かけた場合はバーで一杯酌み交わして和ませてください。売上的にも助かります。
卯城竜太
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——ロジャー・ジャヌワタ初個展に寄せて——
●河村康輔(コラージュ・アーティスト)
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ロジャー・ジャヌワタと初めて会ったのはいつだろう?一言も言葉を交わす前に絵を見せられた記憶が彼との最初の記憶。そこから未だ会話はないけど、定期的に絵を送って来てくれる。
気づいた時には彼の絵の虜になっていました。理由は分からないけど…多分、彼の中にしか存在しない世界にどっぷり浸かっているのだと思います。個展おめでとう!!
●トモトシ(アーティスト、トモ都市美術館)
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エアマックスに夢中だった中1の冬に、ナイキのマークを真似て描くのが流行った。武田くんの描くナイキがマジかっこよくて、矛盾しているのだけど、ナイキよりナイキっぽかった。そしてロジャー・ジャヌワタの絵を見るたびに武田くんのあのナイキを思い出す。ジャヌワタが描くにんげん、にんげんよりにんげんっぽいから。
●エリイ(アーティスト、文筆家、Chim↑Pom from Smappa!Group)
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私はあるラッキーな体験したことがある。
それは何人かでジャカルタの海を、ただぼんやりと眺めている時だった。キャーーーという東京ドームから漏れる声援のような響きと共に、浜辺が揺れた。水と草を求めた動物の移動が起きたのかと思ったが、私たちのうちの1人の周りに大量の人間が押し寄せたのだ。それから私は彼らのカメラのシャッターを何十台と押すことになる。
ジャヌワタ生誕の瞬間だ。
●中村穣ニ(画家)
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ロジャー、君の描く世界が大好きだ。
あの世界の住人になりたい、あの顔になりたいと思う程に。君の絵を観るといずれにしても幸せに包まれるんだ。またパリにある高円寺のような街で会おう。
●松下徹(アーティスト、キュレーター、サイドコア)
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数年前から気になっていたアーティストです。過去に一度だけ絵画作品を見たことがあり、妙なマチエルだなと思ったら、画面にビッシリと知育粘土を貼り付けていました。今回このような作品が展示されるかはわかりませんが、ロジャーの作風はユルさを裏腹に、ローブロー・アートならではの前提を共有していない不気味さがあり、「思いがけない小さな事件」の予感を醸し出しています。マーケットやシーンが過渡期を迎えると、そういう表現性を持つアーティストがカルト的な支持を集めることを度々目撃することがあるので、個人的に非常に楽しみにしています。
●山川春奈(イラストレーター)
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彼の高解像度な感受性で見た世界は、私には見えていない世界。彼のフィルターを通した世界を疑似体験できる作品達はきっと癖になるはず!
●和多利浩一(キュレーター、ワタリウム美術館)
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謎のアーティスト、ロジャー・ジャヌワタの個展では、アート、コミック、プランドローイングが出展され、思考の自由さに目を奪われるだろう。