この度WHITEHOUSEでは、水内義人による展覧会「声の建築〜ダダ漏れのイカ墨〜」を開催いたします。
水内義人は大阪・奈良を拠点に活動する美術家であり、ロックバンド「巨人ゆえにデカイ」のフロントマンであり、1人コントユニット「DJ方」であり、居酒屋「Mrs.Triangle」の店主です。彼のこれまでの広範な活動が示すように、美術家としての水内義人の作品も非常に多様で、定義されることを拒むような、文字通りつかみどころの無い作品が多々あります。建物をスキャナーでスキャンし、プリントアウトしたもので増設し、そこに巻き寿司を突き刺すプロジェクト「スキャンスペース」。 展示期間中に発売された少年マガジンを金属製のボックスに入れ、200年屋外に設置する作品「SHUUKAN SHOUNEN MAGAZINE」等々、無価値化したものを無意味化するような手つきで我々からぬらりと逃れていきます。膨大な作品の一部はホームページでも公開されているのでご覧になってみてください。
http://www.yoshihito-mizuuchi.net/
そんな水内が今回選んだモチーフはイカです。
古来から人類の食生活に欠かせない生き物であるイカは、同時に人類にとって畏怖の対象であり、人類とは異次元の知性を持った未知の生き物としても知られる生き物です。様々な生物種と比べても非常に多様な進化を遂げているイカは、よく知られるように人類絶滅以降の地球を支配する生物種とも言われています。
今回の展覧会で発表される作品に関しての説明はここでは避けますが、水内は人類が今まで試みていない仕方でイカと向き合います。それはいつも通り、つかみどころの無い、ぬらりとした、水内の中にある「イカ的知性と振る舞い」によって実現されていきます。
ポストヒューマン筆頭のイカと、イカ的知性を持った人間、水内義人の前人未到のバトルを是非”ダダ”漏れの会場で体験していただけたらと思います。