WHITEHOUSE

 

WH-034

WHITEHOUSE 3周年記念

「エアコンを見る会」

2024年5月26日(日)

18:00 – 21:00

<トーク>

涌井智仁 × 中村奈央 × 卯城竜太

やんツー × 渡辺志桜里 × 松田修

<チャリティー展示>

涌井智仁 / ロジャー・ジャヌワタ / 時吉あきな / 渡辺志桜里 / 他

 

【SUPPORT】

Smappa!Group

WHITEHOUSEはこの4月で3周年を迎えました。この間、主催イベントは30を超え、外部キュレーションのイベントと合わせると、すごい数の展覧会やライブ、パフォーマンス、zineのイベントを開催してきました。

この度、5月26日(日)に4年目最初のイベントとして、「エアコンを見る会」を開催いたします。

ChatGPTによれば、東京の気温はこの3年間でおおよそ0.5度上昇したといいます。温暖化に歯止めはかからず、今年の夏も一層の暑さが予想されています。エアコンの普及はいまや各家庭にまで広がり、ヒートアイランド現象による更なる気温上昇を副産物として生み出しつつも、もはや欠かせないマストアイテムとして定着しています。

家庭だけでなく、職場、劇場、展覧会場、バー、レストランなど、特に不特定多数を相手にしたサービス業にとってはインフラに等しい道具として環境整備に一役買っています。

さて、本題に入りますが、WHITEHOUSEの展示室のエアコンが昨年故障しました。ご来場いただいた皆さまには、汗だくになって発電をしていたやんツーの姿や、寒さに震えながら鑑賞した上村洋一の作品を思い出すことでしょう。

ほとんど全てボランタリーに取り組んできた我々の財政事情を明かすまでもなく、エアコンの買い換えができない理由は明白で、まとまった費用が捻出できない限り、エアコンに限らず、アーティストフィーやインストール代、そしてこの貴重な建物の整備もこれまで通り行えない事態が目前に迫っています。

そこで、止まったエアコンを前に、トークでこれまでの暑さや寒さを思い出し、耐え忍んだ労苦を讃え合い、茹だるような夏が来る前に、皆さまとビールやお茶を楽しみながら歓談し、作品などの販売を通じてエアコン代を一夜で捻出したいと考えております。

要するに、パーティーです。第一には3周年を記念して、第二にはエアコン買い換えを目指し、第三には今後のアーティストフィー捻出を期待して。

WHITEHOUSE

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四年目を迎えるにあたり、これまで多くの方々にご支援を賜り、心より感謝申し上げます。ありがとうございます。

東京では独自のアプローチでアーティストと協力し、展覧会やイベントを創り上げてきました。その内容については、皆様の批評精神に委ねたいと思いますが、真に「現在のオルタナティブ」と言える活動を実験し、60年代が介在する1920年代から現代までの1世紀にわたる日本のアートの「前衛」(他の表現でも構いません)を表現してきた、とは自負したいと思います。

つきましては、せめて夏には涼風を、冬には暖風を送れる環境で、鑑賞者の方々には今後ともプロジェクトに集中していただきたく、エアコン一台を皆様のお力でご寄付いただければ幸甚に存じます。その際には、より一層の実験をお披露目する所存です。

ご来場いただく皆さまには、ドリンク一杯分のコインから、作品ひとつ分の札束まで、各々のご事情に応じて温かいご支援を賜りますよう、ご用意の程をお願い申し上げます。四年目に向けて、今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。

卯城竜太

 

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壊れたエアコンとお盆前の8月、当時4才の子どもと過ごしたWHITEHOUSEでのギャラリー業務は、作品のもつ神聖で澄んだ空気とは裏腹に連日連夜意識が遠のくほどの蒸し暑さでした。

周りからかき集めた手のひらサイズの冷風機を命綱にして、空調設備の重大性が身に染みた、そんなひと夏の思い出です。

まずはイベントへのご参加とご協力を、そして、そろそろ夏にさしかかる4周年目のWHITEHOUSEをどうぞよろしくお願いいたします。

中村奈央

 

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ある致命的な欠陥があり、それは、人間、生き物としての生存に関わるようなものであり、しかし、または、ともすると楽観的な僕は、空気のことについては非常に脇が甘いと言わざるを得ないわけです。ぐぅ。

予々、僕たち北人類は「冷え」を凌ぐために文明を鍛え、こき下ろし、石や鉄による巨大な墓碑の中で、空気によって温まることだけを本懐とし、生活を作り上げていきました。「冷え」が国家を作り、公共を秩序づけ、今世界と呼ばれるものの基本とされているものを準備してきました。

かつて北人類たちは、この世界は火・土・水・空気の四元素によって構成されていると信じていました。そしてそれらのヴァリエーションによって物質が発生し、様々な事象が説明されるという、アリストテレス派の化学理解へと結実し、錬金術等へと変化しながら、中世を越え、積極的に探究されていきました。物質によって決まっていくその世界にあっては、「冷え」もその元になる「冷え冷え物質」があるはずだと考えられましたが、エネルギーという想像力の乏しいこの時代においては、非常に困難な探究でありました。

そしてついに発見された「真空」という、まさに空気の極北たる存在によって、「冷え」は完全に北人類の手の中に堕ちました。その空気は冷蔵を可能とさせ、過剰な「冷え」を生み、北人類にとっては少々皮肉な武器にもなりました。

僕たち北人類の歴史は、このように空気を管理すると同時に、未開の物として空気を読み続けることによって発達していったのです。

時に空気は「冷え」から身を守る盾として、また時に暑さを切り裂く剣として傍にあり続け、それらの絶え間ない実践と読解によって最愛であり最悪な隣人として付き合ってきました。

WHITEHOUSEはそんな偉大な北人類の歴史から意図せず脱線してしまい、空気から疎外され、冬は重ね着とセブンイレブンのコーヒー、夏は炭酸ジュースと手をパタパタさせることによってのみで生きてきました。それももう限界に達しました。

この世界とうまく付き合っていくためには、エアコンが要ります。

空気を往来・循環させるための、エアコンが要ります。

悪い空気を断ち切るための、エアコンが要ります。

どんなかたちでも嬉しいので、何卒、ご協力いただけたらうれしいです。

(4年目に入りますが、ここで改めて、WHITEHOUSEを立ち上げる際にご協力いただき、運営していくモチベーションをくれ続けている会員のみなさま、関係者のみなさまへ、極大の感謝を述べさせてください!引き続きよろしくお願いします。)

涌井智仁