WHITEHOUSE

クサムラマッドラット個展

「クサムラマッドラット」

1:

2021923()- 926()

24時間 (21時から13時はアポイント制……予約は電話080-3573-0677まで)

 

2

2021年928()- 930()

14:00 – 20:00

 

閉場日:

 

会場: WHITEHOUSE

入場料: 無料

キュレーション: 卯城竜太(ChimPom)

 

—–会員限定—–

3人組アートコレクティブ・クサムラマッドラット(通称クサマラ) は、スリーピースバンドや漫才トリオとしても活動もしつつ、それぞれに漫画や格闘技なども極めようとする、完全なるホモソーシャルです。

ヤマムライッキ、ホコジーニョ王子、オオムラチカラは広島市立大学で出会い、非常勤講師だったオルタナティブスペース・コアの久保寛子(彫刻家)を母としてクサマラを結成。

HPのステイトメントでは、

「クサムラマッドラットは誰よりも愛と平和を愛する超芸術集団。立体、絵画、インスタレーション、映像、音楽、芸能など表現方法を選ばず制作し続けている。意識よりも肉体、直感を信じ、行動、制作している。」

と、超簡潔に自己分析されています。

聞けば、彼らのルーツは宮本武蔵。言わずと知れた剣聖ですが、鞍や弓や木刀、連歌、書、水墨画などの制作に励んだ芸術家でもあったそうで、そのいくつかは国の重要文化財にも指定されているそう。にも関わらず、「1つのことを極めると何でもできる」とその多ジャンル性と肉体的なカタルシスを読み解いて、ルーツとまで言い切る作家は、残念ながら多分今や最早クサムラマッドラットのみ、という現代美術史上、闇とも言えるセレブリティです。また、「コンセプトをやる人はもう沢山いるじゃないないですか」とハイコンテキストなアートをよそ目に彼らは、共感する存在として、「偉そうじゃないから」と旅芸人を挙げます。

そんな知性のメインストリームから外れて我が道を往くクサマラが、本展において注目するのはネアンデルタール人。ホモサピエンスと違って力が強く、社会性を必要としない狩猟スタイルから少数で暮らした旧人です。故にかつては、協働しない(その先に宗教を持たない)とされるネアンデルタールは複雑な思考や創造性を持たず、「芸術をしなかった」と見做されていました。が、近年の幾つかの発掘により、むしろその特徴が逆説的に作風となったような……サピエンスが作ったプライマリーオブジェクトなど機能的な道具とは異なるインスタレーションや彫刻など……用途が全くわからない身体的/抽象的な創作があったことが実証されています。その発見は、「人類」の芸術史が「知性」を特性とするサピエンス全史よりも遥かに長かった可能性を示し、そしてそれが具象的な洞窟壁画ではなく、一見コンテンポラリーな抽象表現や空間芸術だったという推論(というか殆ど僕の自論ですが)を仄めかしています……面白すぎるので以下リンク!

https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/16/052600187/?ST=m_news

https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/photo/stories/21/070700037/?ST=m_photo

https://www.google.com/amp/s/www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-43165670.amp

さて、そんなクサマラの展示はこんな感じになる予定。

・二階のネオダダの壁画部屋にあるトマソン化した廃ドアから入る。

・ロフトから無数の立体作品で構成された洞窟の中の3人を見下ろす。猿山てきな。

3人は9/2326日の4日間そこに滞在し、制作とバンド、格闘技や漫才や生活などを行う。突発的に。

・観客は洞窟にも入れるが、その際はクサマラ特性防塵マスク(市販のものを改変)をご購入いただき、密対策とする。

9/2830日の3日間は、第2部として3人がいない状態とし、通称「無限彫刻」へと変化したインスタレーションを展示。

「外部と遮断して好きなことをやる」というクサマラの洞窟は、コロナだポリコレだコンテクストだオルタナファクトだと、あまりに複雑化した結果、高度に彷徨う我々サピエンスの社会や芸術に、単純明快な違和を突きつけるでしょう。

その勢いやリズムの無意味さを言語化できるものがあるとしたら、彼らの作品の(見た目の)類似性とともに、美術史上、比類なきほどにハッキリと反知性を宣言した、この伝説のフレーズに尽きるかもしれません。

「こうなったらやけくそだ!」

クサムラマッドラットによる東京での初個展を、どうぞお見逃しなく。

卯城竜太(ChimPom

クサムラマッドラット

クサムラマッドラットは誰よりも愛と平和を愛する超芸術集団。
立体、絵画、インスタレーション、映像、音楽、芸能など表現方法を選ばず制作し続けている。
意識よりも肉体、直感を信じ、行動、制作している。

https://www.kusamara.com/index.html